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冬季休館中のリフォームその1

更新日:5月31日

 今年1月〜3月の冬の休館中は、いくつかの館内修繕工事を実施しました。実は修繕については、「すぐにやらなければならない」「そのうちやりたい」「こうしたらいいかな」などのレベルはありますが、全部含めたアイテム数がまだ数十もリスト化されているのです。まとまったお休みがある度に、一つ一つこなしていっている次第です。古い建物を維持しながらの営業は本当に大変だとつくづく感じています。

 さて今回実施した修繕箇所の一つのご紹介です。2階ライブラリの窓は、これまで旧旅館時代の昭和40年代製と思われる、木枠で薄い一枚板ガラスの窓のままでした。そしてこの窓面積が古民家らしくとにかく大きい。もちろん、こういった古い木製建具類は味があり、現代では希少になりつつあるので、都会からいらっしゃるお客様にはこれだけでも話題にしていただけ、当館の雰囲気をより良く感じ取っていただけるものではあります。

 ただし、この度のライブラリの窓は、強い西日が当たる箇所で、長年の風雨にも耐えてきたせいか、木枠がいよいよひん曲がってきて、ガラスとの間に隙間も増えてきていました。またどう頑張ってもきちんと戸締めをすることができない状況。透明テープやウレタンテープで補修をしたりと騙し騙し頑張ってきましたが、先のことを考えて更新する計画を立てていました。

 新しい窓は、木製で断熱性が高くできれば国産、という条件で以前から調べていたのですが、なんと当宿からもほど近い青森県十和田市にメーカーが存在していたのです。その名も「株式会社日本の窓」様。昨年24年10月に本社ショールームと工場を見学させていただきました。部材などには断熱先進国のヨーロッパ製を使って欧州基準に合わせているそうですが、木枠は地元青森県産の杉材を使用し、設計と組み立ても十和田市の工場でされています。日本の森林を守り、地方の産業と雇用を大切にし、日本の低い断熱基準を高める、とても素敵なコンセプトのメーカー様です。本社工場も木で作られている素敵な工場でした。品質もデザイン製も高く、こちらを採用させていただくことにし、普段お世話になっている工務店さんに製品についての説明を行い、設置工事を引き受けていただくことにしました。

 雪解けの頃、職人の方々が初めて見る窓製品にも関わらず、一気にお願い通りの位置に取り付けしていただきました。結果は大満足です。宿がお休みの日にライブラリーに一人籠って、読書しつつ窓越しに外を眺めたり、あるいは少し窓を開けて風を取り入れたりと、自分でものんびり過ごしてみたいと思う部屋となりました。今回はあえて元の窓面責よりも小さめにして、木の壁を多めにし温かみをだしました。ご来館の際は外観とライブラリの様子を是非観察していただければと思います。




更新後の窓です。両面内開きと、上部傾斜で一部開口もできます。



十和田市にある、株式会社日本の窓様の本社工場です。



限界に来ていた古い窓



窓面積を減らし、壁面積を増やした新デザインを、職人さんたちに一気に組み上げていただきました。(塗装はDIYしました)
窓面積を減らし、壁面積を増やした新デザインを、職人さんたちに一気に組み上げていただきました。(塗装はDIYしました)


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